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ロマンの木曜日
 
はじめてのカジノ

でも、まったくやり方が分からない


多くの観光客でにぎわうカジノ内であったが、所々に警備員が立っていて周囲を警戒している。何せ50億円である。人々の欲望が渦巻いているのだ。ちょっとした事から大きな事件に発展する事も考えられる。その為、カジノ内の警備は厳重なのだ。

そういえば、ラスベガス空港の入国審査はとても厳しいものだった。両手人差し指の指紋を採られ、顔写真も撮影された。カジノにはそこら中にカメラが設置されていて、少しでも悪い事をすると、空港で撮られた顔写真と照会されすぐに身元が分かってしまう仕組みらしい。

50億円当たったとしても、紳士な振る舞いを心がけよう。
いきなり発狂して警備員に取り押さえられないように。


カジノ内にて

しかし、ここで大きな問題が浮上する。

テーブルゲームのやり方が分からないのだ。

4ページまで来て何を今更、とご批判の声が聞こえてきそうだが、誰よりも自分で自分に腹を立てているので、ここは一つご勘弁いただきたい。配当金額とか税金とか、そんな事を調べる前にゲームのやり方だろ。

もうカジノの中に入っちゃったので、ここまで来てあきらめる訳にもいかない。

他のお客さんがいないテーブルで、ディーラーが優しそうな人。出来れば日本語の分かりそうな人、という条件でテーブルを探す事にした。


条件に見合うテーブルが見つかった

しばらくカジノ内をウロウロして、ようやく条件を満たすテーブルを見つける事が出来た。ディーラーのおばちゃんは日系人らしく、日本語で「やってみますか?」と言っている。僕以外にお客さんはいない。

ディーラー「最低ロットは10$だけど、いい?」
住「ええ、10$だったら持ってます」

テーブルの上に10$紙幣を出すと、ディーラーのおばちゃんがそれを受け取り、代わりに黄色いチップを2枚渡してくれた。

住「………えっと」
ディーラー「ブラックジャック。分かる?」
住「ええ、21が一番強い?」
ディーラー「そう、一回練習でやってあげるわ」


ブラックジャックで勝負だ

マジシャンのような手つきでトランプの束を手に取るおばちゃん。僕に青い無地のカードを渡し、好きな所に挟めと言う。適当な所に青いカードを挟むと、そこからトランプの束を2つに分け、僕の手元にカードを飛ばす。1枚、2枚。

ディーラー「中を見てみて」

見るとスペードの10とハートの10。

住「これで、いいみたいです」
ディーラー「そう? じゃあ私のも開けるわね」

ディーラの手元にはカードが2枚で合計は16。

ディーラー「あなたの勝ち。分かった?」

この勝ちの後、2回連続で僕の勝ちが続いた。チップの数は6枚。これはもしかして、もしかするか?

その後、僕の出身地の話や今回の旅の目的などを聞かれつつ、ゲームが続く。おばちゃんは優しい口調ではあるが、目が笑っていない。このカジノに立つまでに、様々な修羅場をかいくぐって来たに違いない。塀の中の旦那さんは元気だろうか。


次のお客さんがやって来た

結局、2回勝った後は全敗で、あっという間に6枚のチップがなくなった。席に着いてから5分も経っていない。

50億円の夢はあっという間に覚めてしまった。

 

 

もちろん最初から50億円当たるとは思っていなかった。でも、もしかしたら1200$くらいは行くかもしれないと踏んでいたのだ。そうしたら新しいデジカメ買おうと決めていたが、そんな思いもたった5分で粉砕された。やっぱり、地道に働けって事ですね。仕事がんばります。

大きなバッグはお土産入れに役立ちました


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