マジシャンのような手つきでトランプの束を手に取るおばちゃん。僕に青い無地のカードを渡し、好きな所に挟めと言う。適当な所に青いカードを挟むと、そこからトランプの束を2つに分け、僕の手元にカードを飛ばす。1枚、2枚。
ディーラー「中を見てみて」
見るとスペードの10とハートの10。
住「これで、いいみたいです」
ディーラー「そう? じゃあ私のも開けるわね」
ディーラの手元にはカードが2枚で合計は16。
ディーラー「あなたの勝ち。分かった?」
この勝ちの後、2回連続で僕の勝ちが続いた。チップの数は6枚。これはもしかして、もしかするか?
その後、僕の出身地の話や今回の旅の目的などを聞かれつつ、ゲームが続く。おばちゃんは優しい口調ではあるが、目が笑っていない。このカジノに立つまでに、様々な修羅場をかいくぐって来たに違いない。塀の中の旦那さんは元気だろうか。
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