夏休みといえば山だ。
海外の高い山とか、岩場の難所などには初登攀した人の名前が付けられていたりする。そう、山は初めて登った人のものになるのだ。
僕もそんな勇敢な登山家の一人として名を馳せたい。
しかし高い山はすでに登りつくされてしまった感がある。そこで逆に低い山をターゲットにした。
(安藤 昌教)
ターゲットは身近に
低い山ならばこれまで有名な登山家は登ろうともしなかったんじゃないか。未登攀のルートが残る山、実はそれは近所のしょぼい山なのだ。
ということで今回ターゲットにしたのはレストランの裏山。建物でいうと5階建てくらいの高さがあるので、たぶん15メートルくらいだろう。高山病の心配もない。
では早速登りたい。とはいったものの僕は登山に関してまったく素人なので何を持っていったらいいのかわからなかった。
だけど低いしいいか、ということでとりあえずバッグに菓子パンだけ入れて登ることにした。
油断した僕が悪かった
これまで明らかに誰も登っていないだろう場所から山に入った。するといきなり木が行く手を阻む。
すごく当たり前のことだが、山には木がたくさん生えているのだ。遠目に見ると緑色の丘に見えるが、実はあれ、全部木だぜ。
ということで2メートルくらい登ったところでルートを失い、そそくさと引き返してきた。先人たちの苦労を思い知った瞬間だ。ちょっと考え直そう。