とおーりゃんせ とおりゃんせー。 信号が「渡れ」のメロディーを鳴らす。
街中には機械の鳴らす音がおおい。そしてそういう機械は、いわばストリートミュージシャンのようのものだ。
考えてみると、彼らはいつも一人で孤独に演奏をつづけている。でも、たまにはだれかと合奏したいのかもしれない、と思った。
そんな彼らの願いをかなえるため、まちの音とセッションしてみました。
(三土たつお)
めぼしい音をさがす
セッションをするにあたり、当サイトライターの宮城さんに協力をいただいた。
宮城さんはエアギターもやるけれど、ふつうのギターも弾けるし、ドラムやピアノなどあらゆる楽器が弾けるすごい人なのだ。
宮城さんと一緒に商店街などを回りながら、よさそうな音をさがしていく。
ふみきりはどうか
待ち合わせをした駅前から歩いていくと、まずはふみきりが目についた。
このふみきりの音なんかはどうだろう。宮城さんに聞いてみた。
「ふみきりは、ファンファンっていう一定のリズムがピアノの4分打ちっぽくて、合わせやすそうですね。」
―4分打ち・・ですか。
「ためしにギターでやってみましょう」
そういうと、背中にしょっていたギターを下ろして、ふみきりの音にあわせて実際に弾いてきかせてくれた。
おお! なにかの曲のイントロのようにも聞こえる。
オルガンとかもあった方がいい、とのことなので、ぼくも持ってきたキーボードで参加してみた。
まさに今ふみきりと一体になって音楽を奏でているのを感じる。
ふみきり自身もたぶん、ずっとこういうことがしたかったのに違いない。