町屋とは簡単に言うと町中にある店舗と住宅を兼ねた古い住宅のこと。その建物の特徴は間口が狭くて細長い奥行。そして隣家と外壁が接するように隙間なくみっちり建てられている。だから取り壊されるとその跡が隣 の外壁に残るのだ。
京都の町屋といえば古都の街並みを構成する要素としては欠かせないもの。その風情ある建物にダンメンを見いだすとは、そのオルタナティブなナナメっぷりが小憎らしい。と思っていたらそういうことではないようだ。むしろ京都の町屋だからこそダンメ ンなのだとか。
「東 京にも大阪にも町屋はあるけど、京都の町屋はそのなかでも極端に間口が狭くてものすごく細長い。いわゆる『ウナギの寝床』って言われる、まさにあれ。で、その奥の方にどんどん増築したり、ひっそりと中庭(町屋はみっちりくっついて建っているので室内に光や風を取り込むためにたいてい中庭を持っている)に増 築したりしてる。でダンメンにはそういう跡が地層のように残るんですよ」
つまり、京都の町屋にこそダンメンは光 り輝くのだ。だいじょうぶか、吉永建築デザインスタジオは。 |